絶滅事典 20世紀末モノ&コトカタログ/造事務所
- 絶滅事典 20世紀末モノ&コトカタログ
- 造事務所(編集)
- カンゼン (2021/9/16)
時代の変化は激しく、世の中の風景やモノは次々と変わっていくものだ。
ただでさえ記憶力のない自分にとっては、覚えていられることは限られているから、いつの間にかなくなっていても、まったくと言っていいほど気づかない。
本書では、1970年代から1990年代にかけて、大きく「生活(衣食住)」、「学校」、「趣味・娯楽」、「仕事・技術」の3つのジャンルに分けて、絶滅の危機に瀕しているモノを紹介している。
興味深い懐かしのモノが多数登場するが、それぞれのジャンルでその懐かしさにちょっとした差があることに気が付いた。
「生活(衣食住)」で紹介されていた、応接間、いちご用スプーン、二層式洗濯機、足踏みミシン、「仕事・技術」で紹介されていた、ブラウン管テレビや、ポケベル・PHSとった、機器やサービスはなど、けっこう変化を目の当たりにしてきたせいか、受け入れやすい感がある。
しかし、「学校」については、わかってはいても、その変化には驚かされる。
網に入った石けん
白線用の消石灰
ロケット鉛筆
多面式筆箱
香り付き消しゴム
わら半紙
はだ色
アルコールランプ
特に小中学校時代、自分にとっては当たり前の風景が、今では存在しないのだ。
そして、映画の2本立て上映、ノストラダムスの大予言、都市伝説といった「趣味・娯楽」のジャンルでの変化は、特にインターネットの普及による影響を強く受けているような気がする。
相変わらず不確実な情報は多いが、ネットで調べればある程度のことはわかるし、現在は映画などは見たいものだけを自分で選ぶのが当たり前で2本立てを見るほど余裕はない時代なのだ。
良くも悪くも時代は変わったし、これからも変わり続ける。
でも、こうして昔を思い出すと、つい「思い出補正」が入ってしまう。
きっと、実家に帰れば、ペナントや提灯といった旅行みやげが発掘されるだろう。