6426 形骸化していく感染対策
新型コロナウイルス感染症が蔓延し始めてから、それなり時間が経った。
いろいろトラブルを重ねながらも、ワクチン接種は進みつつあり、治療法も見つかりつつある。
しかし、感染対策については、蔓延が始まった最初のころとほとんど変わってないように思う。
新型コロナウイルスの感染は、人からの飛沫によるものが圧倒的に多く、接触感染は極めて少ないといわれている。
取っ手や手すりなどあらゆる表面の消毒や、トイレなどのエアータオルを停止するなどは、飛沫感染対策と比べると実はそれほど意味がないと言われている。
エアータオルの使用にいたっては、感染に影響はないとされているのに、その多くが使用停止中のままだ。
効果や意味のあることであればいいのだけど、なんとなくとかやらないよりましという感じで続けていることは、けっこうありそうだ。
なんのための対策なのか、何が一番効果があるのかということが大事なのに、そこまで考えが至っていないと思われることが多い。
実際そういった指摘もあるが、現実では、思い込みでの対策や、クレームを避けたいがためだけの作業に忙殺されていることも多いかもしれない。
こんなことを思ったのは、出掛けた店で、つい先日まで複数あった出入口が閉鎖され、1カ所にまとめられていたのを見たからだ。
「感染症の拡大防止のため」と書かれていたが、実際に起きているのは、出入口に人が集中することによる混雑と、出入口を締め切ったことによる換気の悪化だった。
これでは、“やらないよりマシ”どころか、むしろ、“やらないほうがマシ”だ。
レジやカウンターなど客と対面するときのビニールシートも、換気を阻害するために感染対策になってないという例もある。
以前から指摘しているウレタンマスクも同じだけど、目的を失った感染対策っていったいなんだろう?と思う。