6102 死とは何か
コロナの問題というよりも、あまりの暑さで外に出る気がせず、かといって何かする気も起きず、なんだかぼーっととしてした時間が多かった気がする。
それでも、ちょっとずつだけど、これまで借りていた本を読んでいたのだけど、今日は科学雑誌Newton2020年7月号「死とは何か」を読んだ。
正直言うと、今、どうしても生きたいというほど、“生きる”ということに対しては、あまり強い思いは持っていない。
もちろん、自分がいなくなることで迷惑を掛けたり、悲しませたりすることもあるかもしれないから、それを避けるためには死ねない…と言ったところだろうか。
そういった意味では、自分も含めて絶対に訪れる“死”というものに対しては、どこか自分のことのようには思えず、まだまだ“興味本位”の強い分野のような気がしている。
特集「死とは何か」は、「死ぬ」とはどういうことか、死にゆく体では何が起きるのか、死と向かい合う心理、死は克服できるか…といった章立てで、死についての、最新の研究を詳しく紹介している。
意外と知らないことばかりだったが、特に興味深かったのは「死の訪れを予測することができるか?」ということ。
BMI食事量水分摂取量は死期が近づくと減少することが経験則として知られているそうだ。
それを実際に調査した結果、高齢者は亡くなる5年前の時点で、一定量の食事をとっているにもかかわらず、BMIがゆっくりと減少し、さらに2年前に減少具合が加速、8ヶ月前には食事量が、2ヶ月前には水分の摂取量が大きく減ったという。
終末期の医療や介護に役立つというのはもちろんだけど、本人や周囲の人たちの“覚悟”にも大いに役に立つと思えて、けっこう注目したい研究だと思った。
あと、寿命に関わっているDNAの存在もおもしろい。
体を作る細胞が正常に分裂を繰り返してくれれば、病気もなく寿命も伸びる。
しかし、これに上限を決めているDNAの構造があるという。
染色体DNAの両端にはテロメアと呼ばれる構造があって、DNAを保護する役目があるそうだが、これは細胞が分裂するたびにテロメアが少しずつ短くなり、最後は分裂しなくなるという。
短くなったテロメアを伸ばせば寿命も伸びる…という仮説もあるらしい。