5948 この話には続編が…
考えれば考えるほど、謎が増えてしまうのだが、この話には続編があったのだ。
「負けた鬼にも優しい桃太郎」
怪我をした鬼に桃太郎が席を譲るというシーンだ。
えっ!?
桃太郎は怪我をさせた“加害者”であり、鬼はその“被害者”ではないか。
そんな彼らが同じ列車に乗り合わせた上に、席を譲るというこのシチュエーションは、考えてみればかなり奇妙だ。
席を譲るということを伝える目的のマナーポスターなのだから、そんな前後関係など、ここでは一切関係ないのは分かってる。
でも、ついその前後関係が気にしたくなってしまうのだ。
鬼が怪我の治療を受け終わるまで、桃太郎たちは鬼ヶ島に滞在したのか?
同じ列車に居合わせた彼らはいったいどんな会話を交わすのだろう?
桃太郎が列車で村に帰るのだとしたら、鬼は何のために列車に乗ったのだろう?
いや待てよ。
優先席におばあさんが座っている…。
もし、この人が桃太郎を拾ったおばあさんだとしたら、話の前後関係を考え直す必要がある。
この場面は、鬼ヶ島で鬼を倒した直後ではなく、しばらく経ってからの様子であり、鬼は怪我からの回復傾向にある状態…とも考えられるのだ。
なるほど、それであれば奇妙さはだいぶ感じなくなるが、つじつま合わせのためには、桃太郎の話を、相当ビジネスライクにしないと成り立たなくなる。
続編が出たら、また考えよう。