出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと /花田 菜々子

■趣味・実用・人生論,龍的図書館

 

東京ミッドタウン日比谷(“日比谷ミッドタウン”と呼んでいるが)の開業直後、ついでに寄った日比谷シャンテにある本屋で見掛けたのが本書だった。

例によって図書館に予約して、先日ようやく届いたのだ。

内容は、本当にタイトルのままだ。

著者が利用したのは、サービスに登録した知らない人と30分だけ会って話してみるというサービス。

“出会い系サイト”という響きほど、いかがわしいものではないので、もしタイトルで「出会い系サイト」ではなく「インターネットで知り合った」としたら、同じ内容であっても、これほど注目を集めなかったかも。

実際、“出会い系”というと、ちょっと身構えてしまうが、知らないもの同士を引き合わせるきっかけに過ぎない…と思えば、それほど特別なものではないのかも。

本文中こんな記述がある。

「ここにいる人は、みんな『どこかへ行く途中 』 の人だ。」

たしかに、こういったサイトを利用する人たちは、仕事や生活で満たされず、自分の置かれた状況に違和感を持ち何かを変えたいと思う人たちなのだ。

著者もそのひとりで「本を紹介する」というユニークな活動?を通じて、著者の考え方や人生そのものも大きく変わっていく。

ここまで夢中になれることがあるというのは羨ましかった。

知らない人に、その人にあった本をすすめよう…という発想は面白いし、全編を通じて、著者の本好きがよく伝わってきた。

僕も本は好きなほうだけど、名著と言われるような本は、まず読んでおらず、読みたい本はかなり偏りがある。そして、そもそも、まったくと言っていいほど本は買わない。

でも、本は好きだ。

ときどき経験できる、本の世界に没入できる瞬間は、とても心地良くて好きな時間だ。

もし、僕に本が紹介されるとしたら、どんな本だろう?

Posted by ろん