宝くじで1億円当たった人の末路/鈴木 信行
タイトルからして興味深い。
宝くじに当たった人は、いったいどういったことになるんだろう?…誰もが思うことだろう。
でも身近にそういう人はいないし、興味があっても、なかなか実態を知ることができない…。
最初、タイトル通り「宝くじで1億円当たった人の末路」を紹介する話かと思ったら、そうではなくて、さまざまな23の“末路”を紹介するというものだった。
宝くじの話は、そのうちの一つに過ぎない。
それに、実際に体験した人を取材するドキュメンタリーではなく、その道の専門家へのインタビューと、著者の考察という構成になっていた。
どれも興味深いけど、ある程度想像つく結果ばかりだった。
宝くじの高額当選は自分は大丈夫と思ってる人が危ない…とか、長時間睡眠すると身体に良くないということは決してない…とか、世間で言われていることは、それほど問題はない…という結果が多く、意外性はあまりなかった。
そう言った意味で、読後感は、少し拍子抜けで、面白みには欠けるかな…という印象だった。
「電車で『中ほど』まで進まない人の末路」という話も、ある程度想像通りの結論だったが、あまりこういったことを真正面から取り上げられる機会がないので注目して読んだ。
物足りなさは感じたものの、あらためて見知らぬ世界を垣間見ることができたという点は、面白かったとは思う。