4503 エアセクション

鉄道

京浜東北線でのトラブルは、すでに報道されているように、エアセクションと呼ばれる区間で起きた。

2つの変電所から送られてきた電気を伝える電線(架線)のつなぎ目…それが、エアセクションで、ここでは、それぞれの架線は
並行して張られている。

架線同士が触れないようにしているのは、2本の架線の電圧に差があるためで、そこに電車のパンタグラフで、2本の架線を”つないで”しまうとショートしてしまう。

通常、電車が通り過ぎるだけなら問題ないが、その場所で発進するなどの強い電流が流れると、激しい熱を出したり、火花を出してしまうことがある。

だから、エアセクションでは、できるだけ停止させないようにするとか、やむを得ず停止してしまったら、特別な対応をする必要があるのだが、運転士が気づかなければ、今回のような事故につながってしまう。

ただ、運転士がその位置がわからなかったということであれば、運転士にその責を負わせるのは酷だろう。

よりにもよって、花火大会の近くで発生しなくても…と思ったが、そういったイベントがあったからこそ、列車が詰まって、本来停止することのない場所に止まってしまったわけで、ある意味、起こるべくして起きた…というふうにも考えられる。

今後対策を取るということではあるけど、これまでも同様の事故は多数起きてきた。

そう考えると、運転士が気づかなかった場合に備えた対策をも考えておくべきではないだろうか。

たとえば、エアセクションの部分だけでも、地下鉄などで使われている電線のような細い架線ではなく、鉄の棒のような太さを持つ剛体架線を使ってみる…とか。

扱いやすいけど切れやすい通常の架線 簡単には切れない剛体架線

これなら、まず熱で断線するということは起きない…あ、今度は、変電所に起きてしまうかも…

いずれにしても、わずか、直径12mmの架線が2本切れてしまっただけで、大混乱に陥ってしまう都市の脆弱さを見た気がした。

Posted by ろん