元素生活／寄藤 文平
元素に親しみを持つ人って、それほどいないだろうなぁ…。せいぜい学校で習った「水兵リーベ僕の船…」程度だろう、
ふだんの生活では、まず意識することだってほとんどないし、知らなくたって、困ることはない。
でも、実際は、我々の生活に「元素」は欠かせないし、健康に関わることもある。
いや、そんなことより、知っていた方が「楽しい」…というのは、僕の意見。
本書では、そんな元素を、さまざまな角度から紹介している。
一番の見どころ？は、元素の性質によって、姿、形、表情などを変化させ、118の元素を擬人化することで、特徴がわかりやすくなるように描かれている「スーパー元素周期表」と「元素キャラクター」。
描いたのは、大人たばこ養成講座、R25，東京メトロマナーポスターなどでおなじみの、イラストレーターの寄藤文平。
見覚えのある、どこかすっとぼけたキャラクターは、見ているだけでも楽しい。
読んでみて思うのは、近年発見されるような人工元素を除けば、あらゆる元素が、人々の暮らしを支えているし、人間自身も元素によって生かされていることがわかる。
ナトリウム、マグネシウムといった、割と知られた元素だけでなく、モリブデン、セレンといった「ん？」といった元素まで、欠乏するとどうなるか…といったことや、元素の値段ランキング（金なんてむしろ安いほう！）や、人間を構成している元素を単位にしたら原価はいくらになるのか？といった興味深い話も。
読めば読むほどボリュームのある内容で、詳しく知りたくなって、インターネットでいろいろ検索なんかもしてしまった。
この本を学校で化学を勉強するときの副読本みたいな感じで使ったら、もっと化学に興味を持ってくれそうな気がする。