4400 HAPPO EN
先々週先日の雨の週末。
外を歩いていたら、比較的若い男女が、ひとつの傘を共用して歩いているのを見掛けた。
いわゆる“相合い傘”である。
最初、彼らが、向こうからやってきたときには、ほほえましく見ていたが、ふと傘に書かれていた文字が気になった。
HAPPO EN
?
ハッポウエン?
これって、あの八芳園?
東京都港区白金台にある「八芳園」は、都内でも有数の広大な庭園のある結婚式場・レストランとして知られる。
なぜ、その八芳園を見掛けることになるんだ?
この傘はいったい…?
あんなにしっかりと書かれているところを見ると…おそらく…八芳園において、来訪者に突然の雨でも、庭園を歩けるように貸し出される傘ではないだろうか?
で、何故ここにあるのか?
つい、間違って持って帰ってきてしまっただろうか?
まぁ、そういうこともあるかもしれない。
何らかの理由で返すタイミングを逸しているのだろうか?
それも、まだ仕方がない。
けれど、その傘を、ごくごく普通に使っているのはいったい、どういうつもりなんだろう?
自分たちが窃盗したと思われてしまう…とは、考えないのだろうか?
いや、そもそも、この僕の見立て自体が間違っているのだろうか?
僕の、“もやもや”をよそに、ふたりは、歩いていって行ってしまった。