4399 地球ゴマ
地球ゴマの製造メーカーが今月いっぱいで廃業するという。
1921(大正10)年、時計メーカーの技術者だった加藤朝次郎氏が科学玩具「地球ゴマ」を開発。タイガー商会を名古屋市で創業。60年代に2代目社長の加藤武氏がテレビコマーシャルなど宣伝を強化して大ヒットする。一方、模造品も出回り製品の信頼が損なわれ、少量生産に切り替える。経営は長年、安定していたが、職人の不足と高齢化から今年4月末をメドに廃業する。
地球ゴマは、保護枠に収められた金属製のコマだ。
このコマを勢いよく回し、保護枠を手に持ち、コマの向きを変えようとすると、反発する力が働くから、ちょっと不思議な感覚を味わえる。
この感覚こそが…回転軸の向きを一定に保とうとする「ジャイロ効果」だ。
昔から、うちにもあった。
まぁ、しょっちゅう遊ぶというものでもないし、大人になると、ますます触れる機会もなくなってしまう。
近年は、押入などの片づけの途中で、出現して、そのときに回して遊び、再び、しまう…そんなことの繰り返しだった。

地球ゴマを回すたびに、手に伝わる微妙な感覚。
これは、パソコンやスマートフォンを見てるだけでは、決して味わえないもの。
この地球ゴマは、意外と手間暇の掛かる商品であることは、今回廃業を伝える記事を読んで初めて知った。

地球ゴマで重要なのは精度です。特に一番難しいのが心棒と円盤のバランス。これがぶれているとコマがうまく回らない。100分の2~100分の3mm単位の調整が求められます。
こんなにも高い精度が求められるとは知らなかった。
このために機械化も難しいようで、職人の不足と高齢化といった現実には勝てず、ついに、今月末をメドに廃業することになったという。
こんなにおもしろい商品が、いずれ市場から消えてしまう…というのは、本当にもったいない。