スノードーム/日本スノードーム協会
スノードーム(スノーグローブ)は、水の入ったドームに、さまざまなミニチュアと、雪に見立てた粒やラメを入れて、逆さにして元に戻すと、まるでで雪が降っているような風景をつくる置物だ。
お土産として、あちこちで見掛けることも少なくない。
このスノードームに魅せられた作家の百瀬博教氏のコレクションを元に、NPO法人日本スノードーム協会が、世界で唯一の「スノードーム美術館」を運営しているという。
本書は、そのスノードーム美術館に所蔵されている作品の一部を紹介している。
世界各地の観光地がモチーフになった定番から、映画の名場面を切り取ったもの、スノー…といいながら、ドームの中には、イルカやヤシの実が会ってトロピカルなものもあったり、あえてスノードームにする必然性がよくわからないものまで、さまざまな作品が紹介されている。
後半には、スノードームをより深く知るためのQ&Aがあって、楽しめる。
興味深いと思ったのは、日本スノードーム協会が、名付けた「エンジェル・リング」という表現。
なんてことない、スノードームの上部にできてしまう空間(気泡)のことだ。
この空間は、中の液体が時間の経過とともに蒸発してしまう上に、特殊な液体であることから補充もできないため、どうしても広がる一方…となる。
この空間が大きくなればなるほど、スノードームの価値は下がってしまいそうな気になってくるが、モノは考えよう…だ。
ひっくり返して雪を降らした分、思い出が積もる。思い出が積もった分、天使の贈り物とし「エンジェル・リング」ができるのだ…と。
気泡の大きさだけこのスノードームと時間や想いをともにしてきた…となれば、気泡が意味のあるものに思えてくる。
いずれ、スノードーム美術館を見学しに行ってみたいし、ちょっとスノードームが欲しくなってきた。