4081 野良猫
先日の朝。
新橋の細い路地を歩いていたら、年配の女性がこちらに向かって歩いてきた。
そして、その足元に、何かいた…。
猫だ。
猫が、その女性と同じスピードで並んで歩いていたのだ。
そして、その女性が立ち止ると、猫も一緒に立ち止り、猫の首を女性の足元にこすりつけるしぐさを見せ、女性が猫を撫でてていた。
これは、かわいい。
どうやら、かなり人に慣れた猫のようだ。
こんなに懐いている猫なら、僕にも、”スリスリ”してくれるかなぁ?と、翌日も、わざわざ同じ場所に行ってみた。
野良猫のようだから同じ場所にいるとも限らないので心配だったが、猫は、ほぼ同じ場所にいた。
周囲に誰もいないことを確認して、さっと猫に近づいてみる。
ものすごい勢いで逃げられてしまった。
しまった…この猫は人に慣れてると、油断しすぎた。
なんだか、悔しかったので、日を置いて、今日、再び、猫のいるところへ行ってみた。
やはり、同じ場所に、猫はいた。
が、その隣に、この前までなかった貼り紙があることに気が付いた。
読めば、「エサを与えないで」…という注意書きだった。
たしかに、よく見渡してみれば、猫用の餌(カリカリ)が散乱し、猫自身が持ってきたのか、それとも誰かが与えたのか、フライドチキンの骨が落ちていた。
猫特有の悪臭もあるだろう。
でも、餌をもらえなくなった猫は大丈夫なのだろうか?
この問題は、昔からあちこちで起きているが、うまい解決策は、なかなかないようだ。
地域のみんなで飼う、いわゆる「地域猫」という考えもいいなと思ったが、いろいろと問題も多いらしい。
注意書きと、前脚を合わせて、じっとこちらを見つめる猫。
手を差し出したら、あっという間に逃げていった。