秘密基地の作り方/尾方孝弘 のりたけ
秘密基地!…なんて、甘美で魅力的な響きだろう。
子どもたちだけで作る隠れ家的な遊び場…恐らく、子どもなら誰もが作ったであろう、あの“秘密基地”だ。
かつて自分も、押し入れの中に作ったり、段ボールを組み合わせて家の中に作ったり、空き地や、橋の下や河川敷などに、“秘密基地”を作ったっけ。
ほんと、なぜ子どもの頃って、狭くて暗いところが好きだったのだろう?
本書では、2000を超えるアンケートから、実際に作られた秘密基地をイラスト化し、秘密基地作りのノウハウを紹介している。
このイラストも、何とも味があっていい。
一口に、秘密基地と言っても、単純にマットレスを積み上げただけのものから、ドラム缶や土管を使ったもの、果ては、木の上や防空壕に作られたものまで、さまざまだ。
どれも、どこか懐かしい。
本書の構成としては、子ども達に、秘密基地の作り方を指南している体裁になっているが、子ども向けとは思えない文字サイズだし、読み仮名がふられれているわけでもなく、実際には大人向けの本のような感じ。
本書のなかでも、秘密基地作りには、フォーマットはないし正解はないと繰り返し述べられつつも、危険を伴うから大人が手伝った方がよいとか、基地作りの前にまずは10分の1模型を作ろう…といったくだりは、複雑な気分になった。
秘密基地は誰から教わって作るものではないし、作り方を本で学ぶなんていうのも思いつきもしなかった。
それに、そもそも、大人が介在しては、“秘密”じゃなくなるし。
子供たちは、基地作りを本で学び、大人たちは本で懐かしむ。
まぁこれも時代なのかもしれないなぁ…なんて。