へんな古代生物/北園 大園

■いきもの,龍的図書館

4883926672 へんな古代生物
北園 大園

彩図社 2008-11-26
売り上げランキング : 32770

Amazonで詳しく見る by G-Tools

言うまでもなく、地球上の生物たちは、気の遠くなるような時間を掛けて進化を続けている。それは、その時代に生きていた動物たちにとって、生きるのに適した姿であったはずだ。そんな動物たちの時代を知る手掛かりは化石しかないために情報は限られている。

それゆえに、現代の人間が見ると、かなり奇妙な姿になっていることも少なくない。進化の結果、独特な形になったのだろうが、現在の常識からすると、かなり異質で、“ツッコミどころ満載”なのだ。

この本で著者は遠慮のないコメントを入れているが、それが実に楽しい。古代動物のそれぞれにその個体を象徴するようなコピー?がつけられている。

地球上に初めて登場した脊椎動物であるミロクンミンギア(最古の魚)には
→「はじめてのせきつい」

なぜか歯がぐるぐるとぐろを巻いているヘリコプリオン(サメ)には
→「口元を見ると目がまわる」

実に体長の3分の2が首というタニストロフェウス(恐竜)には、
→「長いのがネックです」

キバが変な向きに付いてるデイノテリウム(ゾウ)には
→「逆逆!キバ逆!」

…などなど。逆、逆!というツッコミを見た瞬間、つい吹き出してしまった。

メガロドン
ホオジロザメやヒトと比べると…

形が“へんな”動物ばかりでなく、現在棲息している一般的な動物のサイズと比べてはるかに巨大な、トンボ(70cm!)サメ(15m!)ペンギン(170cm!)など登場する。小難しい話ではなく、あくまで、へんな古代生物の姿を表面的に楽しんでしまおうというのがこの本のコンセプトのような気がする。

見開き2ページ、左側にイラスト、右側に解説が配され、約60種類のさまざまな“へんな古代生物”が紹介されている。文字ではなかなか説明がつかない。百聞は一見にしかず。この本を手にとって、へんな古代生物を堪能して欲しい。