東京スカイツリーを撮影している人を撮影した本/太田 友嗣
内容はタイトルそのまんまだ。
東京スカイツリーを撮影している人を撮影している。
撮影場所は、東京スカイツリー真下のスカイツリータウン。
目の前にある600mを越えるタワーを撮影しようとすれば、どうしてもカメラの角度は急になり、ファインダーや液晶画面を確認するためには、身体もひねるか、地面にはいつくばることになる。
そこに居合わせる誰もが、ふだん見せないような不思議な姿になるわけで、とてもユーモラス。
男子シングルス、女子シングルス、ダブルス、団体戦、外国人枠の5つに分類して紹介。
特に本書の表紙にもなっている、団体戦は、全員が一斉にカメラを向けてる姿が、すごくいい。
また、撮影している人たちの様子に加えて、臨床心理士の解説(対談)も興味深い。
明らかに恥ずかしい格好で写真を撮る動機は、男女で違いがあるのだとという。
男性は、他の人よりいい写真を撮りたいという競争心。女性は、周囲も同じ格好で撮っているからという集団への同調志向。
なるほど、そういう心理を知った上で、こうした姿を見ると、また違って見えてくる。
なかなか面白い本だったが、実は、僕自身、東京スカイツリー建設当時から、撮影している人や見上げている人が気になって、同じような写真を撮っていた。
だから、こうして書籍という形になっているのを見ると、ちょっと悔しいというのはあるのだけど。