3960 “不正ラッシュ”に思う
不正が行われているのではないか?なんていう話は、部外者の自分でも、以前から聞いたこともあったので、おそらくその業界では“常識”だったのではないか?
…という感じで、日展の不正について書くつもりだった。
公募展であるはずの日展において、入選数を有力会派にあらかじめ割り振る不正が行われていた件だ。
しかし、同じ時期くらいから、ホテルや百貨店、レストランなどでの食品偽装、宅配便でクール便の温度管理などでも、まったく同じ書き出しが流用できそうな事態になって来た。
もちろん、こうした不正は許されることではないし、正すべきことであることも間違いない。
しかし、業界内では、おそらくほとんど公然の秘密みたいな状態になっていたとしたら、“中の人”の感覚も麻痺してしまっているに違いない。
そういった部分も、糾弾すべき…
けれど…と思う。以前も書いたけど、もし自分が当事者だったら? そうした不正を働いている組織に所属していたら、どうするべきだろうか?…と思うと、とたんに、気持ちが揺らぐ。
何も知らないまま、不正が行われることが大前提で業務が回っている組織に放り込まれたら…。
「それは間違ってる」
と言えるだろうか?
自分の生活や、人生を賭してまで、不正を暴くのは、小説やドラマの世界だけだろう。
そういった意味で、組織のトップの責任は非常に重いと思う。
そもそも、不正に気付かなかったとしたらそもそもの管理能力が問われるし、不正を前提としたり容認するような組織を変えることができるのは、組織のトップのはずだ。
これからしばらくは、“これ幸い”と、さまざまな不正が出てくるだろう。
消費者や利用者は、当分の間、疑心暗鬼になるのも仕方がない。
こんな議論が出るのも致し方ないのだろうか。
まぁ、これは問題ないと思うが、杓子定規に考えれば微妙かもしれないけど…。
ある種の、“あうん呼吸”が許されなくなると、なんだか窮屈な世の中になるなぁ…とも感じる。