3840 現存する最古の森ビル
森ビルと言えば…
言うまでもなく、日本を代表する都市デベロッパーであり、不動産会社だ。
10周年を迎えた、六本木ヒルズをはじめ…
表参道ヒルズや、海外では上海環球金融中心などを手がけている。
虎ノ門の、いわゆるマッカーサー道路の真上に現在建設中の超高層ビルも、森ビルだ。
先日、虎ノ門と麻布台の再開発について調べているとき、森ビルのWikipediaのページを読んでいたら、気になる記事が書かれていた。
森家の生業は東京・芝の田村町(現在の港区西新橋)で営む米穀店であり、副業として借家の経営も行っていた。森家は1955年(昭和30年)に森ビルの前身である森不動産を設立、翌年4月に「西新橋2森ビル」を竣工した。1957年(昭和32年)11月、「西新橋1森ビル」を完成させ、以後、貸ビル業者として、竣工順に番号を付したナンバー・ビル(第○○森ビル)を新橋周辺に順次建設していった。
その脚注に、「西新橋2森ビル」が「現存」とあるではないか。 森ビル初のビルが現存しているという事実に、なぜか軽い興奮を覚え、今日夕方寄ってみることにした。
新橋駅から、内幸町方面へ数分ほど歩く。日比谷通りを越えると、新橋駅前お馴染みの喧噪がかなり落ち着いてくる。
これは森ビルじゃない…。
でも…
目の錯覚なんかではなく、間違いなく、このビルは傾いていた。
そして、けっして、廃墟なんかではなく、間違いなく、現役であったことにも驚いた。最上階に明かりが付いていた。
そして、ついに到着。一瞬見過ごしそうになったが、でも、確かにロゴは、森ビルそのもの。
指摘されなければ、これが、日本を代表する都市デベロッパーの所有するビルだとは思わないだろう。
テナントは入っていないようだ。
もしテナントが入っていたら、何食わぬ顔をして、内部を見学するつもりだったが、さすがにこのような状態では、気が引ける。
それにしても…次々とビルを建て、街を再開発してきた会社なのに、このビルは、古いまま、このような状態で残されているのだろう?
周囲に新しいビルや人の出入りの活発なビルが立ち並んでいる中で、このビルだけ、時間が止まっているようだった。
先週末、森ビルによって時間を止められた街を歩いたが、ここでは、逆に、森ビルだけ時間が止まったままになっているのは、何だすごく興味深い。