3680 鶴見線ぶらり…でもない途中下車の旅(その1)
今日は、大学時代の友人であるモリちゃんが、JR鶴見線沿線の風景を写真に収めるべく、長野から上京するということで、朝から同行させてもらうことになった。
以前から、鶴見線沿線を歩いてみたいと思っていたものの、ずっと機会がなかったので、願ったり叶ったりの企画だった。
始発駅の鶴見発扇町行き10時の電車に間に合うように待ち合わせ。乗り継ぐ電車の遅れで、長野から来たモリちゃんよりもギリギリで到着。
かつて鶴見線は、私鉄だった経緯から、元国鉄JRの駅とは違った雰囲気になっている。
また、JR京浜東北線から乗り換えるにも、いったん中間改札を通るので、駅の構造も含めて、なんとなく、品川駅で京浜急行に乗り換える感じに似ている。
駅と駅の距離が短いこともあって、あまりスピードが上がらないうちに、次の駅に着く。
また途中駅からの乗車はほとんどなく、鶴見駅で乗ったお客さんがどんどん降りていく。
途中駅はほとんど無人駅。しばらくは住宅地が続いた風景は、途中から倉庫や工場ばかりになっていく。
扇町駅に到着。下車したのは、ほとんどが写真撮影か乗り潰しと思われる“お仲間”の皆さんだった。
駅出口に向かう途中で、たくさんの猫のご馳走があった。
駅を出るとちょっとした商店が数軒あるだけで、あとは工場ばかり。
道路を行き交うのはトラックばかり。
さっき来た電車の折り返しで帰るつもりだったので、滞在時間は15分程度しかない。
ふと目に入った建物は、JR東日本が持つ2つ発電所のうちのひとつ、川崎火力発電所だった。新潟県にある信濃川発電所と会わせて、首都圏で走る電車の9割に相当する電気を作っているという。
乗りそびれるとあとの行程に影響してしまうので、急いで扇町駅に戻る。
さっきの電車で来た人たちが、写真を撮っている。扇町駅の主役、猫だ。
ふたたび鶴見行き電車に乗る。ふだん見慣れない車窓は楽しい。
ここから、鶴見線大川支線に沿って歩く。
平日は1日9本(朝に4本と、夕方以降に5本)、土曜休日は3本(朝2本、夕方1本)しかないので、歩いていくしかない。
ぶらぶらと10分ほど歩くと、草むらに埋もれたプラットホームが見えてきた。
鶴見線大川支線の終点、大川駅だ。
木造の駅舎は潮風にやられているせいか、塗装が剥げかかっている。
駅内部にはチャージもできるごくごくふつうの自動券売機が1台あって、電車がまったく走らないこの時間でも電源は入っている。
やはり空欄の多い時刻表だ。
線路を見ると、電車が行き来するわずかな部分を除いては、枯れ草に覆われ、残ったレールは錆付いていた。
かつて使われていたであろう引き込み線も、コンクリートやアスファルトに埋められてしまい、もはやここまで線路がつながっている意味もないように思えた。
こんな状態でも営業しているとは、ちょっと信じられない。
ここで線路も道路も行き止まりなので、ふたたび、武蔵白石駅に戻って、そこから鶴見線に沿って歩く。