2867 ひたちとその仲間たち
偕楽園へは、常磐線の特急「フレッシュひたち」に乗って行く。
特急「スーパーひたち」と交互に30分毎に上野を出発しているから、あまり時刻表を意識しないでも良いので便利。
ただ割安の「フレッシュひたち料金回数券」を利用しようとすると、その名の通り、特急フレッシュひたちしか利用できず、とたんに1時間に1本しか乗ることができなくなってしまう。
利便性を取るか費用を取るかでちょっと悩む。
今回は利便性を取った。
上野から自由席は比較的空いていたが、柏ではかなりの客が乗ってきて、8割くらいの席が埋まっていた。
途中、取手駅と藤代駅で、直流区間から交流区間へ切り替わるデッドセクションを通過する。古い車両だとその間、電源が落ちてしまい車内が暗くなってしまうが、比較的新しい車両であるE653系は空調が止まるくらいしか変化を感じない。
デッドセクションは、常磐線ならではの“通過儀礼”だっただけに、ちょっとつまらない。
偕楽園駅へは1時間ちょっと。あっという間という感じ。
偕楽園駅には、特急列車と普通列車、合わせて1日30本停車する。ホームは下りしかないため、上野方面に行くには、いったん下り電車に乗って、水戸まで行かねばならない。
狭いホームには、水戸方面に向かうひとたちでいっぱいだった。次にやってくる電車が短い5両編成という案内があったから、乗り切れないなんてこともあるのかな?と思ったら、かつて上野まで走っていたE501系がやってきた。4扉あるごくごく普通の通勤車だから、これくらいの乗客を乗せるのはなんの支障もなかった。
かつては上野までやってきていたが、諸般の都合により、いまでは土浦から北でしか見られなくなってしまった。
でも、元気に活躍しているようで、なにより。
ほかにも、水戸と郡山を結ぶ水郡線でしか見られない「キハE130系」とか…
鹿島臨海鉄道大洗鹿島線などが見られた。水戸駅のホームには、フレッシュひたちを模した売店があって、ちょっと不思議。なんとなく、古いiMacを思い出す。
帰りは、特急スーパーひたちに乗る。車両は651系で、国鉄がJRに分割民営化されて以降、JR東日本が開発した初めての特急電車だ。新幹線以外で時速130kmで走るのは、当時、スーパーひたちしかなかった。
“スーパー”と名付けたくなってくるのもわかる気がする。
時速130kmは速い。登場してから20年経ったがあまり古さを感じさせない走りだ…と思っていたところ、やはり歴史を感じさせる時が来た。
ふたたび、藤代駅を通過し、デッドセクションに入ったところ…
偕楽園に向かう際上野から乗ったE653系では、空調が止まるだけだったのに、651系では正面のLEDの案内表示器はもちろん、非常灯以外は全部消えてしまい、車内が真っ暗になってしまったのだ。
ほんのわずかな出来事とはいえ、こうしたちょっとした変化が列車の旅では楽しい。
無事、定刻通り上野駅に到着。すぐに、折り返しスーパーひたち53号となって、ふたたび、元来た線路をたどる準備に入っていた。