4167 “金星の太陽面通過”観察までの道のり
先日の金環日食に続き、望遠鏡購入に踏み切った天体現象が、金星の太陽面通過だった。
詳しいことは、すでにいろいろと伝えられている通りで、とにかく貴重なできごとなのだ。
しかし、前回同様、天気にやきもきさせられた。
とにかく東京では、確実に見られるかどうか微妙であるということは、早い段階から確定していた。
そしてXデーが近づくにつれて、予報は絶望的な内容になっていく。
ならば、どこかへ見に行くしかない。
しかし、ただ遠くに行くのではなく、あの重い望遠鏡を持ってだから、レンタカーで移動するというのが現実的だ。
次の問題は場所。
天気予報は、前日になってもハッキリしない。
原因はおそらく台風だろう。
なにもこんなときに来なくたって…
最初は東北地方を考えていたが、台風の進路にあたることから、信州方面に変更。
しかし自宅からだとアクセスが悪い…というより、速く移動するためには、首都高、中央道大都市近郊区間、中央道を走らねばならず、費用がかさんでしまう。
その話を会社の同じ部署でお世話になっているSさんから、関越道は?という提案が…。
なるほど、中央道までのアクセスを考えたら、比較的近いために、首都高を使わずとも利用できる関越道という手もあったのだ。
天気の状況では、途中の上信越道を使う選択肢もある。
最新の予報を見ても、確実に晴れているところなどどこにもなかった。
5時45分、不安を胸に出発。
東京の空は、決して暗くはない。むしろ明るく、うまくすれば、太陽が顔をのぞかせるのではとすら、思った。
それだけに、どうなっているかわからない見知らぬ土地に車を走らせる不安と言ったらなかった。
順調に練馬インターチェンジから関越道へ。
向かう先は少し明るい。
もしかしてきたいが持てるかも…と思ったら、にわかに空が暗くなり、雨が降りはじめてしまった。
まぁこれは想定の範囲内とはいえ、不安は増すばかり。
何度もサービスエリアなどに止まり、関越道、上信越道の天気をチェック。
どっちもどっちだったので、とりあえず関越道をそのまま走る。
事態は、悪化の一途だった。
途中で雨は上がったものの、雲は厚いまま。
このまま行っても状況が改善する見込みがなさそうだったし、高速代、ガソリン代も気になった。
傷は小さいうちに…ということで、遂に、高速を下りて帰ることにした。
無念だった。
高速道路を使わずに、一般道を利用することにした。
高速を降りると、ずいぶんと深い山間の道を走ることになった。
“日本のポンペイ”という看板も気になったが、失意の僕には写真を撮るくらいしか気力がなかった。
ときどき、気になった写真を撮っていたら、どうも雲が薄くなっているところが増えてきたようだった。
空全体が明るくなっていた。
気にしながら車を進めてみると、わずかに日差しがあるようだった。
車を道路の脇に止め、あらためて空を眺めてみると、太陽の位置が確認できるではないか!
ダメ元で、望遠鏡を準備してみようと、場所を探すが、なかなか見つからない。
焦る。
こちらのコンビニはたいてい大きな駐車場があるので、短い時間だったら、多少場所を借りても問題はなさそうだ(事後ではあったが、店の方に挨拶に行きました)。
正面から直接見えないように車を止めて、望遠鏡を準備。
その間にも、雲の隙間から太陽が見えたり隠れたり…
太陽が思ったより天頂付近にあって、ふだんのようにデジカメをセットできず、最悪は撮影自体難しいかもしれない状況だ。
とりあえずの準備完了…