3247 人食いお母さん(前編)
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先日、いつものように図書館に行ってきた。
図書館の前の棚に、“リサイクル本”として、古くなった本を配っているコーナーがある。ほしい人が自由に持って行けるようになっている。
ふと、そこにあった本がどうしても気になった。そして、そのタイトルに自分の目を疑った。
「人くいお母さん」
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これはいったい…
どうやらアフリカの民話らしいが、あまりの衝撃的なタイトルに、つい立ち読みしてしまった。
物語はこんな感じで始まる…
子供たちのお母さんは、人食いだったので、お父さんは二人が生まれるとすぐおじいさんのところに預けました。
子供たちは大きくなると、お父さんやお母さんに会いたくてたまらなくなりました。
「そうだな、無理もあるまい。だが、すぐ帰ってこなくてはいかんぞ。おまえたちのお母さんは、人食いだからな。何でもいいから、とにかくお父さんに会って相談をしてごらん。」
やっとおじいさんからお許しをもらった子供たちは、大喜びでお母さんのうちに向かいました。なるべくお母さんのいない朝のうちに着くようにと、夜遅く出発したのです。
…と、両親に会いに行った子供たち。
お父さんには無事に会えたが、やはりお母さんは、人食いということで、お父さんは子供たちを隠す。しかし…
「うまそうないいにおいがする。わかい、美味しそうな子供のにおいがする。」
そこら中を探し回って、ついには子供たちを見つけてしまうのだ。
「なんだ、おまえたちか。どうして帰ってきたんだ。しょうがないなぁ。私が人食いだっていうことを忘れたのかい。帰ってきたから、私の子供だって、食べずにはいられないんだよ。かわいそうだが、食べてしまうからね。」
「でも、まぁ、いまは、カモシカと人間が一匹ずついるから、これを食べておこう。これを食べてから、おまえたちを食べることにするからね。それまで仲良く遊んでおいで。」
カモシカと人間を食べたお母さんは、お腹いっぱいになって寝てしまう。
食べられるまで遊ぶほどバカではない子供たちは、お父さんの勧めもあって逃げていく。しかし、子供たちが逃げ出したことに気付いたお母さんは、子供たちを追いかける。
そして、ついには人食い母さんに追いつかれてしまう。
追いついた人食いお母さんに、自分たちを食べないよう頼み込む。
「しょうがない 子供たちだねぇ。ふたりがなかよくしているっていうんなら、まぁ許してやろう。ほんとにおじいさんのところで仲良く暮らすんだよ。」
そう言うと、おとなしく自分のうちの方に帰って行きました。
無事に、人食いお母さんから逃げることができた、子供たち。
しかし、その後、事態は急展開する。