6662 西村京太郎亡くなる
西村京太郎が亡くなった。
たしか初めて買った推理小説が「寝台特急殺人事件」だった。
これをきっかけに西村京太郎の作品を多数読むことになったのだが、西村京太郎にとっても、本書が鉄道ミステリー第一作で、出世作だったことは後から知った。
当時、リアルタイムで寝台特急や急行が多数走っていたし、そいった停車駅の少ない列車は、いまと違って、長時間の”密室”状態となることから、ミステリーが成立する要件を備えていた。


いまだったら、携帯電話で確認したら一瞬で終わってしまうわけで、あまりに状況が違いすぎて、十津川警部と一緒になって推理するのはちょっと難しくなってしまう。
もうある種の”時代劇”みたいな感じがしてしまう。
鉄道ミステリーを楽しめた時代を生きることができたのはよかった…とあらためて思う。
そんな楽しい時間を作ってくれた西村京太郎さんのご冥福をお祈りします。