成功本はムチャを言う!? /新田 義治

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成功本はムチャを言う!? (青春新書INTELLIGENCE) 成功本はムチャを言う!? (青春新書INTELLIGENCE)
新田 義治

青春出版社 2008-08-02
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成功した人たちやそれを指南しようとする人たちによって書かれた、いわゆる“成功本”は、書店でも大きな幅を占めるほど、たくさんの種類がある。

実は僕も、この手の本は嫌いではなく、むしろ好きな方だ。

ただ、こうした本を読んでも、ちっとも成功しないのは、実は薄々わかっていた。成功本を何冊も読むのは、成功していない証拠であり、こうした本を書く人たちにとっては、格好の“餌食”なのだ。

「実践しないからうまくいかない」のではなく、「実践したくても実践できない」「実践しても続かない」といった理由を著者が説く。成功本でよく言われている目標の具体例を挙げ、これらの持つ問題点について指摘する。

目標を明確にする
期日を決める、スケジュールを決める
好きな仕事をする
ポジティブに思考をする
人に感謝する、人に与える
自分に投資する
いい人と付き合う、人脈を広げる
潜在意識を活用する

いずれも、成功本には、よく書かれていることばかりだ。

成功話は自分流に読み替える必要があると筆者。自分に合わない方法で実践しても長続きしないという。

人間には大きく四つの傾向があるという。その四つの傾向とは…

「目標達成的傾向」
「献身的傾向」
「評価的傾向」
「親和的傾向」

とあった。

このうち、成功本を書く人の多くは、「目標達成的傾向」の場合が多いようだ。これは、行動を重視し、困難な目標であればあるほど燃える人…だそうだ。

このために成功本も、自ずとこうした傾向を持つ人向けに書いてしまうことが少なくないわけで、この傾向でない人にとっては、成功本が参考になるどころか、成功までむしろ遠回りをすることにすらなりうるわけだ。

この本でよくわかったのは、人によって成功の考え方も、それに向かう方法もそれぞれある…という、至極当然のことだったが、あらためてそういわれると、少し肩の荷が下りたような、そんな気がした。