3145 トラブル

物思いに耽る(雑感)

JR東日本の各新幹線で、ダイヤの大幅な乱れを伴うトラブルが発生し、大きな問題になった。

当初、原因不明のまま自然に回復してしまったという、不可解な事象が起きていた。このため、システムに不具合があるのではないかと疑われたが、その後、原因は人為ミスであったと発表された。

トラブルは東北、上越、長野、山形、秋田の各新幹線の運行を一括管理するシステム「COSMOS(コスモス)」で起きた。都内にある新幹線運行本部のダイヤ管理用モニター22台すべてで、各列車の駅への到着予定時刻を示す線が消え、運行指令はシステムの不具合が起きたと考えて全列車を止めた。(朝日新聞)

つまり、線が消えることは障害ではないのに、担当者はシステムに不具合が発生したと誤解したのだ。

僕自身、仕事柄システムに関わっていることもあり、こういう事象は身につまされる。

ひとつの画面に表示させることができる情報量には限りがある。仮に、画面いっぱいに情報を詰め込むことができても、かえって見づらいし、肝心な情報が伝わらなくなるおそれがある。このバランスは非常に難しい。

そこで、文字を反転させたり、太字にしたり、点滅させたり、記号を付けたりして、注意を喚起する手法を取ることがある。これなら、見た目の情報量は変わらずに、必要な情報に注意を向けてもらうことができる。

当初から、仕様がわかっている人にとっては、理解できても、知らない人が見れば、なんのことやらサッパリわからず、結局なんの意味も持たないのだ。

今回のケースは、まさにそれで、たった線が消える意味がわからなかった…というだけで、すべての新幹線を止めてしまうこととなった。

ひとこと伝えれば済むことが、長い間に伝わらなくなっていく。そういったことはたくさん見聞きしたし、自分も経験してきた。

どんなトラブルでも、原因が単純であればあるほど、その対策は難しい。仮に僕が担当者だとしたら、相当悩むだろうな。

Posted by ろん