4358 これもまた価値観の違い
ゆうパックの送料は、切手で代用することができるので、これまで使い切れなかった手持ちの切手を有効に使えるのが便利だ。
ただ、おつりは出ないから、送料ぴったりに切手を揃える必要がある。
先日、おじゃこが荷物を送ろうとして用意した切手を見て、ちょっと気になった。
それは、送料の金額を揃えるのに都合のいい金額とも言える、10円切手。
なんてことない10円の普通の切手だったら、気にもとめなかったかもしれないが、その切手は、「1962 北陸トンネル開通記念」とあった。
当時日本最長のトンネルの開通を記念した、この切手は、見た目は違和感はないが、切手収集家や鉄道ファンにとっては、実は、ある特徴のある切手として知られている。
その特徴とは、まるで“間違い探し”のように1枚の図案の中に、数々のミスが含まれているということだ。
- 架線をぶら下げるブラケットの形状
- トンネル内の照明の位置
- レールの構造
- 通信線の位置
- 特急「白鳥」の乗務員の乗降口がない
そんな特徴ある切手だから、10円分として送料として使ってしまうことに、軽い抵抗感を覚えたのだ。
さらに額面10円の切手を探してみたら、この北陸トンネル開通記念切手が2枚と、東海道新幹線開業記念切手が2枚出てきた。
実際、額面は10円だけど、発行から60年が経ち、現在は価値としては数十円から百十数円になっている。
何と言っていいか分からないけど、価値が増したということ以上に、使ってしまうのが、すごく、もったいない気がしてならなかった。
我ながら、わがままだとは思う。
これまでずっと引き出しにしまわれていたままで、特別丁寧に保管していたわけでもなく、、価値があるからといって売るわけでもないのに…。
こうして、目の前からなくなってしまうと分かると、つい、うろたえてしまう。
10円の価値として考えればそれでおしまいだけど。