3029 新三郷駅前
いま行ってきたIKEA新三郷店は、新三郷の駅から数分くらい歩いたところにあるが、IKEA以外にも、ららぽーとやコストコなどの大型店が並ぶ。
武蔵野線に沿って、やたらと長細く延びるこの付近の案内図を見ると、もともと、ここには武蔵野操車場(貨物駅)があったという事実を思い起こさせる。
かつて、武蔵野線新三郷駅は、上下線の線路が離れていて、その間に武蔵野操車場があったため、ホームがかなり離れているという変わった駅として有名だった。
武蔵野操車場が廃止されると、土地がもったいないので、線路をどちらかに寄せようという話になるのも当然で、どちらに寄せるかで揉めた…なんていう話も、どこかで聞いたことがあるが、いつの間にやら、たくさんの店もできて、再開発は順調に進んでいるように見える。
「三郷市新三郷ららシティ」というのが正式な住所らしい。三郷がかぶってる感じがするし、カタカナもちょっとなぁ…なんて思ってしまった。
周囲の大規模な開発をよそに、新三郷駅自体は、こぢんまりとしていた。
駅に戻る途中に、どうしても気になるものを見つけた。
1989年(平成元年)に作られた「夢空間 ラウンジカー」だった。
ペデストリアンデッキから見ると、まるで、鉄道模型みたい。
新三郷駅前に展示されているということは知っていたが、来たのは当然ながら初めてだし、ずいぶん前に、車両基地で留置されていたのは見たことがあるが、近くで見るのも、今回が初めてだった。
内部は、休憩室のような感じになっていて、誰でも入ることができる。
ソファーやバーカウンター、アップライトピアノなど、重厚感ある車内は、とても落ち着きがあって、列車の中というよりも船の中を思わせる。効率性を考えたら、ピアノだってソファーだって軽くて薄く小さい方がいい。しかし、あえてそうしなかったところに、当時の気概を感じる。
“電話室”という場所もあったが、当然これは、公衆電話が置かれていた場所だろう。やはり20年という時の流れを感じる。
ただ、この車両が作られた20年前…というと、バブル景気まっただ中。
“あの時代”が、こうした車両を作らせたのかなぁ…なんてことも思った。