2158 究極の選択?
2200万円
はたして、うっかり忘れるような額だろうか?
しかも、理由は少ない人数で襲名披露を執り行ったから祝儀のことまで手が回らず…。さらに人様から頂戴したご祝儀を、地下のオーディオルームに置き去りにされるなんて…。
これって、どうだろう?
こうした申告漏れのニュースが伝えられるとき、申告する者と税務署との間での所得に対する考え方の違いから、修正申告になるケースが多いが、今回の場合は、ごまかしようがない。しかも税務署が調べに来るというくらいだから、ある程度の額はあると踏んでいたのだろう。
釈明はかなり苦しい。隠していた…じゃない、忘れていたお金はご祝儀だった。ご祝儀はくれた人の恩がつまっているのではないか? それを忘れてしまっていいのだろうか?かといって、故意に隠してた…とは言えないだろうし…
つまり、まとめるとこうなる。
1 ご祝儀の存在を覚えている + 納税しない
→ 他人様のご恩を忘れない“脱税”(故意=悪質)
2 ご祝儀の存在を忘れる + 納税しない
→ 他人様のご恩を忘れた“脱税”(過失=ミス)
今回の場合は、2が選択されたが、1も決して悪くない。いや意外と、恩を忘れない昔気質の噺家であれば、むしろ1でもよかったかも。