2082 公僕

定点観察

夕張市の財政破綻を受け、さまざまな再建策が検討されているなかで、こんなニュースが伝えられた。

<夕張>早期退職希望者130人超え、職員の約半数退職へ
Yahoo!ニュース[ウェブ魚拓によるキャッシュ])

経費の半分が人件費という市にとって、職員の削減は至上命題となっているが、いきなり半分になってしまったらどうなるんだろう?と、はたから見ても気になった。けれど、こんな数字もある。

夕張市職員数 類似市の倍も
読売新聞[ウェブ魚拓によるキャッシュ])

類似した市と比べてはじき出される夕張市の職員数は143人ということで、異常に少ないかというと、人数だけ見たら実はそれほどではないのだ。

ただ問題なのは希望退職するほとんどが、部長や次長、課長といった幹部ばかりだったということだ。

今年度末の退職者の内訳は部長職が12人全員、次長職も11人全員。課長職は32人中29人、主幹職は12人中9人、係長・主査職は76人中45人、一般職が166人中46人。

もう言い古されたというか、あまり使われなくなった気もするけれど、公務員は“公僕”であるはず。“僕”は召使いという意味。そんな公僕であるはずの公務員が、状況が悪くなったら市民を残して我先に辞めてしまうのってどうなんだろう…と。

幹部になった人たちなのだから、自分が辞めたらどうなるか、ある程度察しはついているはずだ。それでも辞めてしまうという判断に至ってしまったことは、ちょっと引っかかってしまう。しかも幹部のほぼ全員が…

もちろん公務員だって、それぞれの人生はあるわけだし、それぞれの事情だってあるだろう。でも「それにしても…」と思ってしまう。一方で、そもそもこんな結果を招いてしまうような財政再建の方法自体にも問題があるような気もする。

もっとも、自分にとっては“他人事”だから、こんなことが言えしまうのだろうけど…

Posted by ろん