1650 もらわなければ、一生使いませんでした
ツーカーといえば、携帯電話の普及の黎明期から存在する老舗の会社だ。本木雅弘や浜崎あゆみイメージキャラクターに採用していたことを記憶している人も多いと思うが、最近ではすっかりお年寄り向けの営業に徹している感じだ。
完全に通話だけに徹した携帯電話「ツーカーS」の販売が、お年寄りに好調とのこと。
このツーカーSは、電話帳機能もなければ、リダイアルもできない。着信音も変更できないし、ましてやマナーモードなんてのもない。マナーモードが必要な場所では「電源を切れよ」ってことらしい。この潔さが、お年寄りに受けているのだろう。なかなかここまで徹するのは難しい気がする。開発者や提供する側にしてみたら、使うかどうかは利用者に任せるとして機能を付けておくことが親切だと思ってきたと、これまで思ってきたからだ。それがこの機種では全く逆の発想となって具現化している。
駅で藤岡琢也の出ている広告を見かけた。これまでの広告では、小林桂樹が始めて携帯電話を手にするまでの経過を描いていたが、おそらく友人役?で登場した藤岡琢也もついに携帯電話を手にしたという場面。
もらわなければ、
一生使いませんでした。
一生って言い切ってるよ…
ここで使われる「一生」という言葉はなんだか重いなぁ…。確かに、ある程度の年齢に達すると、新しい機械に触れること自体に抵抗を感じる人も多くなってくるだろうから、周囲からきっかけを作って欲しいということをこのキャッチコピーは訴えているようだ。つまり、お年寄り向けの広告ではなく、お年寄りを身近に持つ人向けの広告なのだ。
この携帯電話のポリシーといい、広告といい、いろいろ学ぶべきことが多い。…って、ここで学んだことは、僕の生活には何の役にも立ちそうにもないんだけどね。