1649 慣れとのつき合い方

定点観察

はじめにいくつかの例を考えてみる。

  • 時間の経過とともにある程度仕事に慣れてくれば、仕事の効率も上がって、次々とこなしていけるようになる。
  • もうずいぶん前のことになるが、飼っていた犬が亡くなった(死んだとは言わない)とき、あんなに悲しくつらかったのに、いまでは、ほとんど気にならなくなってしまった。
  • 自分の想いが成就せず、結果的にとてもつらい別れであっても、やはりある程度時間が経ってくれば、そのつらさは軽くなっていく。
  • どんなに好きな対象であったとしても、ある程度慣れてくると、やはりその対象への印象や考え方は微妙に変化してくるものだと思う。

 これらは、すべて「慣れ」のせいで、それぞれ慣れの特徴をうまく表していると思う。「慣れ」は人の気持ちを確実に変化させる。
 前向きに考えるならば、人は慣れがなければ、成長しないということだ。慣れることで、その場の雰囲気や様子をしっかり把握できる余裕が生まれる。その余裕が、また新しい何かを生み出す源泉となるのだ。

 そういう意味では、慣れは必要…ということになる。

 でも、慣れてしまうことで失うものはないのか?…と考えると、それは間違いなくあるように思う。慣れていないからこそ見えることもあるはずなのだ。人は、何度も同じことを繰り返せば、確実に慣れてきてしまう。最初のころ感じたであろう緊張感、慎重さ、新鮮さみたいなものは、どんどん失われていく。やむを得ないし、ある程度必要なことなのかもしれないけれど、ちょっと悲しい感じがする。
 場合によっては、慣れにそのまま身を任せるだけでは、ダメなのかもしれない。「慣れないための努力」というものも必要なのかもしれないな…なんて、漠然と思う。

 ちょっとまとまらなかったな。また考えます。

Posted by ろん