道交法の謎/高山 俊吉

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406272250X 道交法の謎―7500万ドライバーの心得帳
高山 俊吉

講談社 2004-04
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 序章から「守る人のいない法律」なんて書かれてしまっている道交法=道路交通法について、さまざまな謎や疑問を挙げ、その問題点を指摘する。実際、この法律ほど取り締まりや規制そのものがおかしいと思われている法律はないんじゃないかと思う。たくさんの車の中で、先頭を走る一台が制限速度で走っていて、その後ろに長い渋滞ができるなんてよくあること。そういう渋滞を巻き起こすのがこの法律の目的ではないはずである。本当にその道路に求められる制限速度がきちんと考えられているのか疑問に思うことは少なくない。
 また、事故を起こした人に対して厳罰化する方向に世論も法律も向かっているが、果たしてそれだけで解決するのかどうかと投げかけている。なるほど、事故を起こした個人を処罰したとしても報復的な意味合いはあるかもしれないが、そもそも事故を起こす人は自分は大丈夫という過信から起きており、厳罰化という話も、そもそも自分とは関係ないと思われてしまうと、何の効力もないのだ。重罰主義は為政者によるまやかしと著者は言い切る。
 例えばドライバーに飲酒運転時の問題を実体験させるとか、車や道路自体に事故を防ぐための仕掛けを作るとか、方法はいくらでもあるだろうという。本当にもっともな話だ。この国では時速100kmまでしか出せないような道しかないのだから、時速180kmも出せる車があること自体がおかしいのだ。
 反則金は年間800億円もの収入があり、それを交通安全対策に使っているというなんだか妙な構図ができていることを初めて知った。そういう背景を知ると、こうした莫大な収入のためには、実は道交法違反者を減らしたくないんじゃないかと、容易に想像できてしまうのだけど。もしかすると事故は減らしたくないんじゃないかって。
(2005/1/5) 【★★★☆☆】 -05/1/5更新

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Posted by ろん