動物チラリズム―趣味は人間観察ですけど…?/やきそば かおる
動物チラリズム―趣味は人間観察ですけど…? やきそば かおる ソニーマガジンズ 2007-09 |
動物を真正面から捉えた写真集。動物に関する詳しい説明などは一切なく、あくまで動物たちに癒されたい人向けといった感じか。
見開き2ページで1種類の動物が登場。1ページ目はそっぽを向いていて、動物園で見かけるごく普通の状態。2ページ目に、その動物たちが完全にカメラ目線になる。
那須サファリパークにて(2001年7月) |
じっと見つめられるその表情で、何かを訴えかけているように見えてくるから不思議だ。
カメラ目線=目が合う…ということは、多かれ少なかれ、見る者に何かを訴えかけている可能性があるはずだ。でも本当の意味での会話はできない。しかし、動物と会話はできない分だけ、想像力がかき立てられる。
写真ごとにつけられたキャプションが面白い。
- 「『幸せ』って意外と身近にあるものだよ」
- 「趣味は人間観察ですけど、それが何か?」
- 「あなた、免許証の写真を人に見せて笑われるタイプでしょ?」
そんなこと言うはずはないのに、じっと見てると、言われている気がしてくる。
まるで笑っているかのような「シロフクロウ」、だれきった「オグロプレーリードッグ」、表紙にもなっている「ラマ」の表情が気に入った。