7612 特別展「没後300年記念 英一蝶」(後期)

「没後300年記念 英一蝶 ―風流才子、浮き世を写す―」の鑑賞のために、サントリー美術館へ。
先月も鑑賞したばかりではあるが、今週から大きく展示作品の入れ替えがあり、”後期展示”が始まったので、それを鑑賞しにきたのだ。
撮影できる作品に変更はないが、今回初めて鑑賞して気になった作品を挙げてみる。
《朝暾曳馬図》は、朝日のなか、少年が馬を引いて橋を渡る風景で、川の水面には、なんと彼らの影が映っている。この時代に、光と影を意識した作品は例がないそうで、一蝶の先進的な視点を持っていたことを示しているそう。
《雑画帖のうち「布袋図」》もかなりユニーク。ふだん袋を持っている布袋さまが、なぜか自分が袋に包まれている。その表情は穏やかで、今風にいえば「ゆるキャラ」のよう。
《仁王門柱図》柱にいたずら書きをしようとしている人たちを描いている。《社人図》手をつないで巨木の直径を測る巡礼者と、鳥居に落書きをする巡礼者が描かれている。《人物雑画巻》では、ここでも仁王門に落書きをする人が登場する。しかも落書きは門だけでなく、わざわざ長い棒の先に筆をつけて、仁王像自体にまで落書きをしている。落書きに対する執念はいったいどこからくるのか?
《不動図》これは、かなりおもしろい。不動明王といえば、なにやら炎に包まれた恐ろしい姿を思い出す。そんな不動明王が、なぜか滝行しているうえに、水に濡れないように…と、手に持っていた剣と縄、そして炎が脇に置いてあるのだ。パーツとして切り離すという発想はさすが。
《朝顔に日傘図》朝顔が長く咲いていられるように、日傘をさしているという情景を描く。なんと穏やかで優しい絵なのだろう。こういったところに気がつくのも、一蝶らしさなのだろう。