7699 サントリー美術館「儒教のかたち こころの鑑」

サントリー美術館で開催中の「儒教のかたち こころの鑑」を鑑賞。こんな4つの章にわかれての展示だったが…
第1章 君主の学問
第2章 禅僧と儒教
第3章 江戸幕府の思想
第4章 儒学の浸透
儒教というなかなかとっつきにくい内容だ。
おじゃこが年間パスポートを持っているから観にいくが、なかなか自発的には行きづらいテーマだ。
実際、今回鑑賞してみて思ったのは、はやり近年稀に見る難しさだった。
事前知識がなさすぎるので、鑑賞のポイントがわからない。
ただ、いくつかの作品にあった、”二十四孝(にじゅうしこう)”という話は気になった。
中国の儒教思想に基づいて親孝行の模範を示す24の物語を集めたものだが、親孝行のために「そこまでする?」といった話が多いのだ。
たとえば…
- 剡子という人が、眼を患った両親のために薬となる鹿の乳を得ようと、鹿の皮を被って鹿の群れに紛れ込んだら、本物の鹿に間違えられ猟師に射られそうになるとか…
- 病気になった孟宗の母親が、冬に筍が食べたいというので探しまくって、祈りながら雪を掘ったら筍が出てきたとか…
- 極め付けは、自らの食事を孫に与える母親を不孝に思った郭巨は、母親を養うためになぜか、その自分の幼い子供を生き埋めにする決心する。埋めるための穴を掘っていると「孝行者のためのもの」と書かれた黄金が出てきて、その黄金を使って家族を養うとか…
時代によって常識や求められる考え方は変わるものだが、さすがにいまとなってはかなり違和感のある内容に思える。
でも、知識として儒教を知っておくと、現在にもつながる、さまざまな由来や理解の一助になることも多そうではある。
さきほどの竹のエピソードで登場した”孟宗”は、言うまでもなく、モウソウチク(孟宗竹)の由来だろうし、読本や歌舞伎の演目、身の回りの工芸品のモチーフとして、二十四孝に由来する雪や筍などが用いられたそうだ。
”儒教”というもものをあらためて意識して見ると、また見えてくるものがあるのかもしれない。