[社会の窓]東大構内
東大本郷キャンパスを訪れるのは、たいていの場合、検査そして手術のときなので、決して楽しい時間ではない。
かなり古い建物が多く立ち並ぶなかを歩いていると、どこか非日常的な感覚を覚えるのは、そんなにイヤなことでもなかったりする。
ふだんなら仕事をしている、平日の時間帯、時間が止まったような、見慣れない景色で、自分のいる場所を一瞬忘れてしまいそうな、そんな感覚だ。
でも、すぐに、いま自分の置かれた状況を思い出すと、急に現実に引き戻された感じがして、ふたたび、気分が重くなるのだ。
来月の手術で最後の山場を超えたあとに見える景色は、どうなっているのだろう。