7275 軍艦マンションを見に行く
「GUNKAN東新宿ビル」という名前を聞いて、すぐにその建物の形を思い出せる人は、建築に関心のある人かもしれない。でも、このビルの独特な形状を見たら、建築ファンならずとも、気にせずにはいられないだろう。
”軍艦マンション”とも呼ばれた、このビルの建て替えが決まったと聞き、以前から見てみたかったのを思い出し、さっそく現地に見に行ってみた。
新大久保から歩いて向かう。朝早いこともあって、歩く人はあまりいないが、ハングル文字があちこちに見えて、まさしくここが”コリアンタウン”といった感じだった。
住宅街のなかを歩いていくと、ちょっと開けた小さな公園(小泉八雲記念公園)に出た。
その向こうに、ようやく”軍艦マンション”が見えた。
少し離れたところからでも、形状が独特であることがよくわかる。
ただ周囲は住宅に囲まれていて、なかなか見えない。
すぐ近くまでやってきても、ビルとビルの間に挟まれていて、あまりよく見えないのだ。
関係者以外は立ち入りができないようなのでエントランスの撮影は最小限に。周囲を探して回って、ようやく少し見通しがきくところを見つける。
それにしても、おもしろい形をしている。
この建物を設計したのは、陸軍船舶兵出身の建築士渡邊洋治という人で、狂気の建築家、異端の建築家と呼ばれたそうだが、なんとなくわかるような気がする。
建築家の強烈な個性が出ているが、こういう”クセの強い”建物は、もうなかなか作られることはないのだろうなと思った。
残念なのは、遠くからだと住宅で遮られるし、近くではすぐ隣のビルに挟まれて、なかなか全貌が見えないということだ。
あちこち歩いて、少し離れた駐車場に至る道路から、ようやく見える場所を見つけた。
さらに、ちょっと離れた場所から眺める。まるで、軍艦の船橋のような屋上部は、こうして遠くから見られることを強く意識しているかのようだ。
来年取り壊されるという”噂”が本当なのかどうかわからないけど、この独特な形は今のうちに目に焼き付けておきたい。