7227 さよなら東武9000系9101F
先日、2年4ヶ月ぶりに自走したということが話題になった東武東上線を走る9000系9101F編成が、おととい、解体のために回送されたそうだ。
1981年11月に製造されたときは、東武鉄道において、さまざまな新機軸が盛り込まれ、10両固定編成、側面と前面に自動行先表示、ステンレス車体という外観からも、これまでと違いが見られる車両だった。
当時は、鋼製車体ばかりだったし、さらに言えば床が木(!)だった車両も走っていたような東上線において、ステンレス車体は、文字通り”輝いて”見えた。
だから、9000系9101Fがやってくると、テンションが上がったものだ。
その後、1987(昭和62)年8月からは、他の9000系電車とともに、当時の営団地下鉄有楽町線に乗り入れるようになった。このころになると、ステンレス制の電車は10000系もあったから、ものすごく珍しいということもなかったが、登場当時のインパクトが大きかったせいか、ずっと気になる存在であり続けた。
東上線開業100年記念で走った8000系電車の旧塗装車と9101Fのすれ違いは感動したものだ。
試作車としての要素が強かったせいか故障も多く、修理されては復活…を繰り返していたので、「また故障」と知ってからも、また復活するだろう…と思っていたが、まさか2年以上も放置されるとは思ってもみなかった。
今年1月2日には留め置かれていた車庫まで見に行ってしまったが、これが最後になるとは思ってなかった。
東上線にやってきてから40年とちょっと。
人間でいえばまだまだ若いし、鉄道車両だってもっと長く走り続けている車両はいくらでもあるが、試作的要素が強かった車両だけにこれ以上の延命は難しかったのだろう。
むしろ、特殊な車両でありながら、ここまで活躍できたほうが奇跡的なことだったのかもしれない。