4256 酷い乗換案内
秋葉原駅構内…自動精算機の隣に、Route Finderと表示された見慣れない端末が置かれていた。
乗換案内をしてくれる情報端末のようだ。

ちょっといじってみると、乗換案内ばかりでなく、観光情報なども紹介してくれるみたい。

ただ、ちょっと気になったのは、乗換案内はJR東日本の得意な範囲に収まるとは限らないということだ。
箱根湯本といえば、小田急の牙城。果たして…
この乗換案内はどういった回答を出したか?

◎ルート1
所要時間1時間46分
IC運賃 1800円
乗換回数 1回
新宿 (10:00発)
‐‐JR湘南新宿ライン
小田原
‐‐箱根登山鉄道
箱根湯本 (11:46着)
あぁ…そうきたか…。できるだけJRに乗せようという…。
これはこれである意味順当かも知れないが、一般的には、小田急のロマンスカーと箱根登山鉄道で向かうと考えるのが普通で、それほど鉄道に詳しくなくても、わかる人も多いだろう。
続いての候補を見てみる…
◎ルート2
所要時間2時間12分
IC運賃 1430円
乗換回数 3回
新宿 (9:50発)
‐‐JR山手線
原宿
‐‐徒歩
明治神宮前
‐‐東京メトロ千代田線
代々木上原
‐‐小田急小田原線
小田原
‐‐箱根登山鉄道
箱根湯本 (12:02着)
えっ…なぜJRと東京メトロを挟んでるんだ…?
どうしてもJRを利用させたいようだ。
暗澹たる気持ちで、3つめのルートを見てみると…
◎ルート3
所要時間2時間18分
IC運賃1410円
乗換回数3回
新宿 (10:01発)
‐‐JR山手線
渋谷
‐‐京王井の頭線
下北沢
‐‐小田急小田原線
小田原
‐‐箱根登山鉄道
箱根湯本(12:19着)
なんだこれ?
やっぱり、JRを使わせようとしてルートに無理が出ている。
ロマンスカーが登場しないのはなぜだろう?
参考までに、同じ条件でインターネットで乗り換え案内を検索したとき、新幹線の利用を除けば、こんな結果が出てくる。
◎小田急線利用~ロマンスカーを使う場合
所要時間1時間23分
IC運賃2074円(特急料金含む)
乗換回数 0回
新宿 (10:00発)
‐‐小田急小田原線、箱根登山鉄道
箱根湯本 (11:23着)
乗り換えなしで向かう方法が紹介されないというのはどういうことか?
あえて新幹線や特急を使わない設定になっているせいなのかはわからなかったが、明らかにおかしい。
1回の乗り換えだけで行くことのできる、小田急の急行を利用するという選択肢がないのもおかしい。
◎小田急線利用~ロマンスカーを使わない場合
所要時間2時間1分
IC運賃1184円
乗換回数1回
新宿 (10:01発)
‐‐小田急小田原線
小田原
‐‐箱根登山鉄道
箱根湯本 (12:02着)
乗換案内や観光情報などの紹介は、東京近郊だけでなく日本全国に及び、特に複数の言語で表示される機能は外国人観光客にとって、ありがたいはずだ。

ここまでくると、ルート2や3を選ぶということは考えにくいものの、自社路線への過度な誘導は、ちょっと酷い。
あまり酷い案内をするとなれば、せっかくの費用をかけて端末を設置しているのに、その信用にも関わるというものだ。