6902 ”臨海地下鉄”建設へ

鉄道

ここ最近、ときどき話題に挙がっていた、東京駅から有明付近に至る地下鉄の構想が、実現に向けて動きだしたというニュースがあった

読売新聞(2022/11/24)より
読売新聞(2022/11/24)より

東京駅から銀座、築地、勝どき、豊洲市場、有明を結ぶ約6kmの地下鉄を建設し、開業は2040年代前半を目指すという。

間違いなく需要の多い地域を結んでいることから採算も取れるだろう。

こうしたニュースに対しては、けっこう否定的な意見が多く散見される。

少子化と人口減少が進んでいるのに新しい投資が必要なのか…とか、東京一極集中を是正するべき…といった意見だ。

いつも思うのだが、これは逆に意味があると思っている。

人口減少が進むからこそ、より効率を良くするために集中が必要なのだ。

むしろ人口が希薄で今後も増加の見込みのない地域への投資こそ、立ち止まって考え直すべきだと思う。

そう考えると、地方のローカル線の維持についても、厳しい判断をしないといけない…ということになるわけで、本当に悩ましい。

実に20年以上も先の計画なので、実現までいろいろと紆余曲折があることは容易に想像できる。

今回発表された計画だけでも、気になるところがいろいろ出てくる。

1.つくばエクスプレスとの関係
もともとは、つくばエクスプレスの延長とセットで検討されていて、その計画では東京駅は丸の内側に設置することになっていた。しかし今回発表された計画における東京駅は八重洲側にあることを考えると、もうつくばエクスプレスの接続は事実上断念したと考えていいのかもしれない。

2.運営主体や、車両の規格、基地の位置など
単独で運営するよりも既存鉄道と連携したほうが効率はいいはずで、車両や基地などをどう考えているのだろう。たった6kmの路線で新たな車両基地の負担は小さくないだろうし。

3.羽田空港アクセス線との“接続”
JR東日本が建設中の羽田空港アクセス線(東山手ルート)と東京駅で競合してしまうため、ここでの接続が“乗り入れ”を指すのか、単に“乗り換え”を指すのか。

まぁ、完成は20年以上先で、ずいぶん時間のかかる話ではあるが、今後徐々に計画の内容が明らかになっていくだろうから、続報を待ちたい。

Posted by ろん