6722 聞いてないよ…
朝のニュースは衝撃的だった。
ダチョウ倶楽部の上島竜兵が自ら命を絶ったというのだ。
テレビなどで見せる雰囲気から勝手に“死”とはまったく無縁の存在のように思えていたから、よりショックは大きい。
ダチョウ倶楽部のあまりにもバカバカしくて、思わず笑ってしまう“お約束芸”は、見ていて安心というか、どこかホッとできるものだった。
新しい芸人が次々と登場するが、ダチョウ倶楽部、そして上島竜兵の代わりになるような人は思いつかない。
唯一無二の芸人だったと思う。
芸能ニュースなどで見聞きする限りでは、多くの芸人仲間から慕われていたそうだ。
そうした環境にありながらも、なぜ死を選ばなければいけなかったのだろう。
いくら経済的な余裕があろうと、いくら仲間や支援してくれる人がたくさんいても、こうして、自ら死を選んだ人の心のなかを理解することは、絶対にできないものなのかもしれないと痛感させられる。
気の毒なのは、残された家族や仲間たちだ。
きっと何かできることはなかったか…と自問自答してしまうだろう。
「聞いてないよ〜」は、ダチョウ倶楽部のギャグのひとつだが、こんな死の選択なんて聞いてないよ…。
このギャグが、こんなにもつらく聞こえたことはない。