5960 無観客という選択肢
恒例の春の選抜高校野球大会が、今年は無観客で行われることになった。
先日の政府による大規模イベントの開催自粛要請があって以降、プロ野球、Jリーグ、大相撲など、さまざまスポーツで、無観客開催という措置が取られることが多くなった。
中止することができない場合の選択肢としての“無観客”開催…。
となると、これって、もしかすると、東京オリンピックも同様の措置が取られるのかもしれない。
スポンサーとの関係はもちろん、開催場所の予定などを考えれば延期という選択肢はかなり難しいだろううし、まして中止なんてしたら、その実害たるや天文学的金額になるはずだ。
でも、無観客なら…。
まず、観客が密集することがないからウイルス対策になる。
観客がいないことでの収入源はあるが、逆に、心配された暑さ対策、渋滞対策、警備にお金は掛からなくなる。
そして、夏の開催にこだわったアメリカのテレビ局にとっては、観客がいようがいまいが、決められた期間に放送さえできればいいのだし、中止にならないのであれば文句はないだろう。
もちろん、観客を当て込んで準備をしてきた人たちにとってはとんでもない事態ではある。
でも、オリンピックに直接関わる人たちにとっての無観客は、実は、願ったり叶ったりの選択肢なんじゃないかという気がしてきた。
オリンピック開催中でも、すべて閉じられた施設で行われれば、都民には普段の生活にはほとんど影響はないだろう。
マラソンだって札幌で開催されるわけで、もう東京でオリンピックをやってることすら気づかれないかもしれない。
これまで経験したことのない、極めて“静かなオリンピック”になるかもしれない。