続・秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本/J・ウォーリー・ヒギンズ
- 続・秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本
- J・ウォーリー・ヒギンズ
- 光文社 (2019/12/17)
以前読んだ、秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本 (光文社新書)の続編だ。
前作の見て思ったが、60年前の光景は、全体的に埃っぽく、悪く言えば“清潔感”はあまりない。
でも、オイルショック前で、どこも活気に溢れている感じがした。
見ていて思ったのは、かつては、ちょっとした大きな街には路面電車が走っていたということだ。
高い建物がほとんどなく、電車の走る周囲には空間が広がり、とても人が住んでいないような雰囲気でも、採算が取れていたということは鉄道以外の他に交通手段がなかったからだろう。
たとえ不便でもこうした鉄道があれば、地球環境のは優しいだろうなぁなんて思った。
あと、着物姿の女性が多いのもこの時代の特徴だ。
そして、今と比べると、鉄道と人々の距離がものすごく近いということも気になる特徴だ。
表紙の写真にも採用されているが、実物の東海道新幹線の、線路まで大勢の人たちが入り込んでいる。
鴨宮で1963年8月14日に公開されたときの写真だそうだ。
いくら開業前だとはいえ、尾灯が点いてるということは、もしかすると架線に高圧電流が流れている状態だろうし、こんな感じで一般客を線路内に入れるのは、いまでは考えられない。
そういった意味では、いまの時代よりもはるかに自己責任が問われたのが、60年前の日本なのかもしれない。
それにしても、新書版だから当然その大きさが限界なのだけど、写真が小さいのがあらためて気になった。
前回も、もっと大判にできなかったのかなぁ…と思ったが、今回はそれをさらに感じた。
「新幹線の時代が到来する前の姿のこだまが見える」(p.35)とあったのだけど、どうやっても見つからない。
「一体二人はデッキで何を話しているのだろう?」(p.285)…と書いてあるのだけど、どんなに目をこらしても見えない。
これは、実はページとページの隙間に挟まって見えないのだ。
なぜ新書版にしてしまったのだろう…と思う。
これでh、せっかくの写真が台無しだ。