3510 2つの原告敗訴と1つの騒動の共通項

社会・政治・事件

先週立て続けに、「原告敗訴」の判決が、ニュースになった。

ひとつは、イレッサ訴訟、もうひとつは、こんにゃくゼリー訴訟だ。

いずれの訴訟も、一般的な国民の意見に沿った判決であった。

それにしても…と思う。

肺がんの治療薬として、異例の早さで承認されたイレッサではあったが、その分、副作用に関する情報の周知は、遅れ気味であったかもしれない。

その、副作用に関する情報が、添付文書の“4番目”に書かれていたことが、今回の争点のひとつとなるくらい、重箱の隅をつつくような裁判は、いったい誰のためになるのだろう?

この薬を使用するのは、肺がん…それも末期の患者であり、どのような治療を施すにしても、副作用の苦しみとは隣り合わせの状況であった。

仮に、重大な副作用が起きる可能性が否定できないと、文書の冒頭に書かれていたとしても、少しでも改善する見込みがあれば、きっと薬を使っただろう。

せっかく素早く承認され、(副作用があるとはいえ)薬が使えるという状況になったのに、今後は承認のペースが落ちてしまうのではないか?

それは薬を待っている人たちにとっては、失望以外のなにものではないし、はたして、亡くなった人たちが、このような訴訟を望んでいるのだろうか?
また、こんにゃくゼリー訴訟の原告敗訴も、当然の結果だろう。

どう考えたって、食べさせた親の責任しか感じることができない。復路に注意喚起の但し書きがされてあり、当時、すでに小さい子供に食べさせるべきではないという“常識”も一般化しつつあるったのに。

それでも、一般のゼリーより硬く、子供にはかみ切りにくいとか、注意を呼びかける袋の警告表示が小さかった…という原告の主張が通ってしまっては、もう何でもありである。

裁判所の判決文にあったという

「食べやすい大きさにせず、そばに付くこともせずに食べさせたのは配慮を欠いていた」

という言葉通りだと思う。

 

そして、もうひとつの“騒動”。

経緯については、かなりニュースにもなっているので割愛するが、一部週刊誌や、2ちゃんねるなどでも話題になり始めた当初は、大きな問題に発展するとは思っていなかった節がある。

その証拠に、この問題に対してTwitterやマスコミからの取材でも、「逆ギレ」とも取れる発言を連発していた。

金曜日の会見でも、やはり、まだ“甘さ”の目立つ内容だった。

この二つの判決と、最近話題になっている、河本準一の母親が生活保護費を不正受給問題も、どこか通じるものがある気がしてくる。

特に最後の例は、まさしく、このままなのだけど、“言った者勝ち”、“貰えるものなら貰っておこう”みたいな発想が蔓延ってしまっているのだ。

気のせいかもしれないけど、確実に増えてる気がする。

おそらく、こういった発想しかできない人たちに、「どうしてダメなのか?」ということを理解させるのは、至難の業だろう。

Posted by ろん