5551 ゴールデンハムスター”ハコ”
ハコが、元気だったときは、それが当たり前のように感じてしまう。
いや、正確に言うと“感じて”もいない。だから、あらためて、ハコの写真を探してみると、一番元気だったときの写真が意外と少なかったことに気づく。
ハコを、ペットショップで見つけたのは、2017年1月末だった。
同じケージに4匹入っていた子のうち、1匹を選んだ。
初めてうちに来たとき、箱のなかから、なかなか出てこなかった。
これも、ハコの名前の由来のひとつだ。
最初のうちは、警戒していたハコだったが、ちょっとずつ慣れていった。
ケージの中を歩き回っているうちに、ここが、自分の住む場所だとわかってきた感じだった。
夢中になって砂をかくのだ。
だから、特製の砂場を作ってあげたのだけど、砂を外にまで跳ねることも多々あって、片付けが面倒だった。
若い頃は、自分の“家”の中で過ごすことは多く、チップを山盛りにして、ちょっとしたバリケードを作ることもあった。
隙間から家の中を覗き込んでみると、パンの耳を両手でしっかり持って食べていたりもした。
これまでのハムスターと同じように、食欲は旺盛だった。
ただ、これまでのハムスターと違ったのは、この柄だった。
“パンダ”柄ということで売られていて、たしかに黒と白が特徴的だったが、成長するにつれ、黒っぽい色が、徐々に茶色に変わってきた。
すると、ちょうどスリッパの色にそっくりだということがわかった。
まぁ、ハムスターは基本的に元気なのだが、パワーを持て余してる感じだった。
改良に改良を重ねた砂場も、ケージの外に逃亡するための手段にしようとしているのがよくわかった。
回し車には、中ではなく外から回す…というよりも、回し車すらも脱出するために使えないかと考えてるように見えた。
ときどき、自分のフンを一箇所にまとめてくれるときがあった。
これは片付けるのが楽でいい。
おしっこも、ちゃんと砂場でする。これは、亡くなる直前まで、しっかり守っていた。
基本的に好き嫌いはなく、基本的に与えられたものは、なんでも食べてたような気がする。
ハコの個性で、もっとも特徴的だったのが、エサを家の中にしまうということだ。
年齢を重ねてくると、睡眠は家の中ではしなくなり、いつしか、食料の収納庫的な使い方をするようになった。
以前、その様子を動画にして収めておいた。
とにかく歩き回るのが好きなハムスターだったから、なんとなく、いつまでも元気なような気がしていたのだけど…。
今年の9月に入り、急に体が冷えた感じになり、動きも悪くなってしまったので、病院で見てもらったところ、肺に水が溜まる状態であると診断され、その影響で心臓の動きも悪くなっていたようだ。
毎朝体重を計り、毎朝と毎晩薬を飲ませた。
いっときの危機は脱したようで、少しずつ体重は減りつつあったものの、それなりに元気だった。
食欲もそれなりにあったし、フンもおしっこもこれまでと変わらず…。
だから、意外とこの状態が続くんじゃないか…と思っていた。
亡くなった当日も、普段と変わらない様子だったのだけど…。