4041 “さく”の短くも濃い一生
昨日22時30分ごろ、ゴールデンハムスターのさくが、一生を終えた。
ほぼ、2歳だった。
一般的なゴールデンハムスターの寿命と比べるとかなり短かい。
でも、さくらしい、“太く短い”一生だったと思う。
ハムスターを知らない人にしてみると、ちょっと信じられないようだが、ハムスターには、それぞれしっかりとした個性がある。
それだけに、これほど小さな個体でも、愛着が湧くのだ。
- 声を掛けたり、目が合うと、こちらにやって来る
- 僕の頭の上に載せると髪を蕎麦のようにすする
- キャベツをあげると口にくわえてケージのなかを走り回る
- やたらと、外に出たがり、ケージのなかをジャンプしたり、破壊したりする
- 滑車(回し車)を全力では回さず、チラチラこちらの様子を見ながら“流す”
このような、さくのその強烈な個性は、歴代のハムスターと比べても、かなり印象的だった。

ここ最近を振り返れば…
昨年末からその予兆はあったと考えた方が自然だろう。
11月末ごろ、さくの口元に、“こぶ”のようなものができはじめ、それがどんどん大きくなってしまった。
病院に連れて行って処置をしてもらう。
頬袋内にできた傷口からばい菌が入り膿がたまってしまったらしい。切開し消毒する。
大きな傷口は痛々しかったが、驚異の回復でふたたび元通りになった。
ただ、これまでの歴代のハムスターではこうしたことはなかったし、抵抗力が弱ってるのではないかと、一抹の不安みたいなものを感じていた。
そして年が明けて…ときどき元気がなかったり、尿が赤みを帯びるときがあったことに気付いた。
滑車(回し車)も、以前に比べると、あまり回さなくなっていた。
決定的な何かがあったわけではないけど、病院へ連れて行く。
このときは、外観からは何かおかしいところもなく、ハムスター特有の腫瘍も確認できなかったため、ビタミンや栄養剤などを処方されただけだった。
しばらくは小康状態だったが、いよいよ動きが悪くなってきた。
さらには、あんなに熱かった体温も冷えている感じに。
ふたたび病院へ。
やはり外観上に変化は見られないため、レントゲンを撮ってみると、心臓の肥大が確認された。
このために心臓が正常に機能せず、全身に血液を送ることができないため、体温の低下が見られるという。また消化の能力も落ち、体力も損なわれるそうだ。
心臓の肥大も、ハムスターにはよくあることのようで、遺伝で生まれつきらしい。
こういった状態では対処しようがなく、投薬するしかない。
強心剤と消化剤などの投薬する“対処療法”をすることになる。
もともと140gを超えるほどあった体重が、127gあたりまで急激に落ちた。
それでも一時は、少し元気を取り戻したかに見えた。
しかし、体重は戻らず、手に持つと、あんなにまるまるとしていた身体が、骨っぽくなっているのがよくわかった。
さらに歩く姿は、往年のキレのある動きとはほど遠い、ヨタヨタした感じ。
ケージのなかを狭くし、余計に歩くことのないようにしたし、バリアフリーにして段差を減らした。
投薬を続け、使い捨てカイロや、湯たんぽのようにお湯を入れた容器を置くなどして暖めるなどしていた。
そして、昨日の夕方。
ケージの仕切にした段ボールをよじ登ろうと、やたらジャンプしていたが、やせ細った身体には、負担だったのかもしれない。
元気ではあったものの、身体がかなり冷えていた感じだった。
しばらく手で暖めていたが、ちょとケージに戻した。
30分くらい経って、さくの様子を見ると…
違和感があった。
動いていないのだ。
「あれ?」
手にしてみると、目は半開きで、もうほとんど動かなかった。
まだ生きてるかな…と思っていたが、ピンクだった鼻や手足が、みるみるうちに、白くなっていった。
亡くなったその場に居合わせることができただけでも、よかったのかな…と思いたい。
わずか2年にも満たない、さくとの生活。
さくにとって、自分が世界一幸せな一生を送ることができたと思いながら、お別れをしてくれたら嬉しい。
