TOKYO WATER TOWER/オオタマサオ 太田準也
大きな団地で、たいてい目にした”水道塔”。
各住戸に給水するという目的はわかっているけど、整然と並ぶ団地の中にぬっと立っている水道塔には、以前から、どこか畏怖に近いものを感じていた。
もともと団地には縁があまりなかったせいか、何かの機会に団地にやって来たときには、つい水道塔を必ず意識してしまうのだった。
逆に、団地が身近にあったり、団地に暮らしていた人にとって、水道塔は、団地のランドマークとして、むしろ親近感に近い感覚を持っていたかもしれない。
水道塔は、建てられた時期や規模によって様々なタイプがある。
本書では、タンク型、UFO型、円盤型、フライングソーサー型、ヌーベルバーグ型、スクエア型、ハンマーヘッドシャーク型、スケルトン型、とっくり型、懐中電灯型、円筒型、ライトハウス型、ボックス型、アメリカン型…と、14タイプに分類。
前半では著者が厳選した10基、後半では分類した水道塔を写真と解説付きで紹介する。
自分も、これまで水道塔は、意識して見てきたつもりだが、こんなにもいろいろなタイプがあったとは知らなかった。
団地の建物が更新されるのに合わせ、水道塔も急速に姿を消している。
いつか見にいこう…と思っているうちに、なくなってしまうかも…。
しっかり記憶にとどめておくなら、今しかない。