目でみることば/おかべ たかし
何気なく使っている言葉や、ニュースなどで使われる言葉…なんとなく意味はわかっていても、そもそも、そういう意味で使われるようになった背景まで意識することは、ほとんどないだろう。
そりゃそうだ。そんなことばかり考えていては、会話は進まない。でも、その由来を知っていると、よりリアリティを持って話ができる…気ががする。
本書は、よく使われそうな40の言葉と、その言葉になった元の姿を写真で紹介。
たとえば、本書の表紙にも使われている「ひっぱりだこ」は、そのまんま、タコを日に干している姿に由来しているそうだ。
なお、この本を作るにあたってのポリシーとして、すべての写真を撮り下ろしとすることにこだわったために、企画立案から5年もの歳月が掛かったという。
そういう著者のこだわりに、すごく親近感を覚える。
本書で取り上げる言葉のなかで、気になる言葉を紹介していったら、結局この本を全部紹介しかねないので、本書のポリシーに合わせ、僕自身が撮った写真で語源となった言葉を紹介する。
いたちごっこ
なぜかイタチが自分のしっぽを追いかける姿を勝手に想像していたが、実際は全然違った。
相手の手の甲を「いたちごっこ」「ねずみごっこ」と言いながらつねっては、手の上に積み重ねていく子供の手遊びで、これには、つねって重ねるを繰り返すだけで、終わりがない…ということから、同じことの繰り返しで進展がないという意味になったという。
ちなみに写真は、数年前見掛けた、いたち…でなく、捕獲されるハクビシン。
金字塔
なんとこれが、ピラミッドの意味だとはまったく知らなかった。たしかに、字の形はピラミッドと言えなくもないけど。ピラミッドは偉大さを象徴する建造物であることから、「後世に残る偉大な業績」という意味となった。
本書では岐阜県にある日本最大のピラミッドのレプリカだった。クフ王のピラミッド高さ14.6mで、縮尺は10分の1。
僕は東武ワールドスクエアにあるピラミッドとスフィンクスだ。

以前、江戸東京博物館で見掛けた亀の上に像が載っているのはなぜなんだろう?と思っていたので、この同じ場所の写真が紹介されていたので嬉しかった。
これは、“亀に似た”中国の伝説の生き物だそうで、亀ではないのだ。
この生き物は、なぜか重いものを背負うのが好きとされていることから、このような状況になるらしい。

つまり、これは、蝉の抜け殻…とのこと。
よく使う言葉だけど、まさか、蝉の抜け殻のことだとは思わなかった。
やっぱり、言葉っておもしろい。
