せつない動物図鑑/ブルック・バーカー 服部 京子
動物に関する豆知識は、子供から大人まで、けっこう人気のネタだと思う。
「アヒルは生まれてから10分以内に見たものを何でも親とみなす」
「ウミガメは母親の顔を知らない」あたりは、比較的小さな子供でも知ってることかもしれない。
「フラミンゴが片足立ちする理由はよくわからない」
「カメはおしりのあなから息をする」
「チョウは足で味を感じる」
…みたいな身近な動物なのに、まったく知らなかった事実を知らされると、動物たちを見る目も変わってくる。
気になったのはこれ。
「アボガドはハムスターには毒」
これも知らなかった。
アボガドは人間にとっては無毒な”ペルシン”は、ハムスターをはじめ、他の動物には有害なのだそうだ。
さらに、ハムスターはさまざまな食べさせてはいけないものがあるということで、せっかくなので…とリストになっていた。
コショウ、アスパラガス、トマト、チョコレート、豆、ごぼう、ニンニク、脂っこい肉、ほしブドウ、じゃがいも、玉ねぎ、などなど
これを見て「あれ?」と思ったのは、ここに挙がっていた、トマトはしょっちゅう食べさせているのだけど、歴代のハムスターたちは、みんな元気だ…なぜだ?
本書では、知らされる動物たちの特徴を、以下のような章立てで解説している。
ちょっとした、せつない告白
できなくて、せつない
恋はせつない
そのこだわりが、せつない
へんてこで、せつない
すごいけど、せつない
おとなになるのは、せつない
さみしくて、せつない
子育てだって、せつない
一応、章に分かれているが、どこから読んでもいいし、ただ、パラパラめくって、眺めて見るのも楽しい。
なんとも味のある…”ヘタウマ”なイラストが、哀愁を誘う。
興味を持った動物に出会ったら、インターネットで検索してもいい。
きっと、動物たちにとっては、自分たちのことを「せつない」とは、まったくそんなことは感じてないだろうし、逆に、彼らが見た人間こそ「せつない」と思われるかもしれないなぁ…なんて思ってしまった。