5038 東京都美術館にて…
東京都美術館で開催中の「木々との対話」という展覧会を鑑賞した。
テーマは「木」。
ちょっととっつきにくい感じの作品もあったが、多くは写真撮影もOKで、本展示の趣旨のとおり、木という素材による表現の奥深さを体感できた気がする。
そんな中、ちょっと気になることがあった。
田窪恭治《感覚細胞-2016・イチョウ》という作品は、本物のイチョウの木を使ったインスタレーションで、展示は屋外だった。
作品のある場所にドアの前にいた係員が、「砂利を踏まないでください」と言っていたのだが、どんな作品なのか知らないので、よくわからなかった。
で、作品のある場所に着くと、イチョウの周囲を取り囲むように砂利が敷き詰められていた。
そして、あれ?…と思ったのは、砂利とイチョウの間に何人か人が入り込んでいたということだ(写真は、誰もいなくなったところを撮影)。
先程の言葉を反芻する。
「砂利を踏まないでください」
なるほど、この人達は、砂利を踏まずに跨いで、イチョウの木のところまで入りこんだわけだ。
展示の周囲には係員がいなかったので、どれが正解なのかはわからない。
それはそれで問題ないのかもしれないし、やっぱり問題があるのかもしれない。
言葉って難しい。
お互いの相互理解の上に成り立っているということをあらためて実感させられる。