4659 川崎老人ホーム連続殺人事件に思う
痛ましい事件だった。
3件も同じ老人ホームで"事故"が起きていたのに、そもそも、警察はどんな捜査をしているんだ?…という問題は、とりあえず置いておいて…。
相当な異常事態だし、いずれはこの状況に誰かが気づかれるなんて、冷静に考えればわかるはずだけど、容疑者は、自分でも止めることができなかったのだろう。
この事件を考えると、とても個人の問題では済まされないと思った。
「ムシャクシャしてやった」
難しい高齢者や、多くの認知症(未だにこのネーミングのい違和感があるけど)の人たちと接していくなかで、相当なストレスを感じていたはずだ。
プロ(仕事)なんだから…とか、認知症の人たちへの理解があれば…といった意見を聞くたびに、そういったことを言える人は、代わりにその仕事をしても、同じことが言えるの?…と思ってしまう。
これは勝手な想像だけど、おそらく、容疑者は、就きたくて就いた仕事ではなかった…と思う。
ある程度の希望や理想を持って就いた仕事であれば、前述のようなことは言えるし、仕方なくやらざるを得ない…というのは、どんな仕事でもあるとは思うが。
それでも、どうしても不得意というジャンルもあるし、きわめて限られた選択肢の中で選ばざるを得なかった仕事…となれば、ただ「しっかり頑張らないほうが悪い」というのは、ちょっと酷な言い方のような気がしてしまう。
もちろん、犯した罪を容認する意味で言っているのでは、けっしてないのだけど、ふと思うのは、かつては、実は現代よりも、多様な受け皿があったのではないか?ということだ。
受け皿だったはずの仕事が、コスト削減のあおりを受けて、正社員は非正規化され、さらには国外へアウトソーシングされてしまっているのではないか?と邪推してしまう。
容疑者は本来はそうしたかつてあったような仕事に就くべきであったのに、まったく合っていない仕事に就かざるを得なかった。
そして、蓄積したストレスが、凶行へと向かわせた…。
あくまで、勝手な想像で、何の裏も取ってないことだけど、そんなことを考えてしまう。
この話には、オチも結論もないので、考え始めるとキリがないので、このへんにしておく。